TOEFLのiBTとITPの違いとは

英語圏の留学の際に提出を求められることの多い英語能力試験TOEFL®Test。「留学したいからとりあえずTOEFLの勉強を始めよう」と考えている方も多いと思います。しかしTOEFLには「iBT」と「ITP」の2種類の形式があり、その試験内容や用途は異なります。

よく調べずがむしゃらに試験勉強に取り掛かるのではなく、「自分に必要なのはiBTかITPのどちらのスコアなのか」、そして「どのような試験対策をするべきなのか」といったポイントをきちんとおさえた上で、TOEFLの試験勉強をスタートさせましょう。

ここではiBTとITPの違いや詳細な試験内容、勉強方法などについてそれぞれご紹介していきます。

TOEFL iBTとITPの試験形式の違い

まずはTOEFL iBTとITPの試験形式について詳しく見ていきましょう。

TOEFL iBT の試験形式とは

TOEFL iBTは、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を総合的に評価。テスト内容はリーディング/36~56問/60~80分、リスニング/34~51問/60~90分、スピーキング/6問/20分、ライティング/2問/50分の120点満点からスコアが決まります。

リーディングではアカデミックな専門的内容の長文が使われるため、専門分野の知識がない人には難しい内容といえるでしょう。リスニングは講義やディスカッションを聞いて設問に答えるというスタイルです。スピーキングは英検の面接形式の試験とは異なり、テーマに沿って答えた内容が録音され、それが採点されます。ライティングは最低単語数が決められているので、それを満たすように書いていきます。

試験時間は4~4.5時間と長いですが、1日で終わります。試験は全国にある試験会場でコンピューターを使って受験します。また個人で申し込みを行いますが、費用は235USドルと決して安くありません。1回で目標スコアを取得できるように、試験対策をきちんと行いましょう。

TOEFL ITPの試験形式とは

TOEFL ITPは、「読む・聞く」の2技能に「文法問題」が加わった試験形式。iBTのような「話す」や「書く」といった試験はありません。スコアは310~677点で表されます。試験時間は2時間以内で受験料は4,000~5,000円程度と、iBTに比べると手軽でリーズナブルですね。iBTと大きく異なる点は、ペーパーテストによる試験が実施されること、そして団体での申し込みが必要ということです。

TOEFL iBTとTOEFL ITPの試験対策

iBTとITPでは試験形式が大きく異なることが分かりましたよね。つまりこれらの試験で目標とするスコアを取得するためには、それぞれの試験対策が必要ということです。

TOEFL iBTの試験対策とは

英語でのコミュニケーション力を評価することを目的としており、英語をどれだけ「知っているか」ということよりも、どれだけ「使えるか」ということにフォーカスしているTOEFL iBT。そのため詰め込み形式の英語学習ではハイスコアを取得することはできません。またiBTのスコアは留学の際に必要になることが多く、具体的なスコアを入学基準に挙げている学校もあります。最近では、留学以外にも入試や就職試験の代わりにiBTを採用している学校や企業もあるようです。

iBTの試験対策としてリスニングの勉強は欠かせません。リスニング力はスピーキング、ライティングのパートでも必要となり、実は全体の半分以上が「リスニング力が必要となる出題になっている」のです。つまり、リスニング力強化は必須なのです。
そして、またTOEICや英検などではあまり馴染みのないスピーキングとライティングはアウトプットしてトレーニングしていく必要があります。「スピーキングもライティングも英会話教室に通わないといけないんじゃないの」と思う方もいるかもしれませんが、独学でも可能です。例えば「独り言は英語で言う」、「音読をする」、「英語の日記をつける」、「自分の言いたいことを英語で書いてみる」、「ソーシャルメディアで外国人の友達をつくる」など方法はいくらでもあります。

また先にも述べた通りiBTの試験時間は4時間以上なので集中力の維持も重要なポイント。本番に近い状態で参考書や過去問などを解いて集中力をつけておくことも大切です。

TOEFL ITPの試験対策とは

英語学習の一環として大学や高校で採用されたり、英語のクラス分けや大学院の入試で導入されているところがあるTOEFL ITP。しかし、TOEFLではiBTが公式スコアであり、ITPは公的なものではありません。

従ってITPのスコア提出が求められている場合のみITPの試験対策を行いましょう。ITPはリーディング・リスニングそして文法問題です。ITP専用のテキストを使って数をこなし、問題に慣れることが大切です。

まとめ

iBTは、個人申し込みによるコンピューター上のテストで公的にスコアがみとめられたもの。その分価格が高くなるといったデメリットがあります。

それに対してITPは、団体申し込みによるペーパー試験でリーズナブルに受験が可能です。それだけにスコアは公的ではありませんので、対策をするなら提出を求められた時のみと覚えておきましょう。

上記を踏まえると、「将来的に留学を考えている」という方はiBTの受験がオススメですが、iBTはスピーキングやライティング力強化など、それなりに準備が必要です。前もってiBT試験に特化した試験対策を行いましょう。

言うまでもないことですが、 ITPのスコアの提出が求められている場合はiBTではなくITPに集中して試験勉強を行った方が効率よくハイスコアが目指せます。
どちらのスコアが必要なのかを調べて、それに合わせて試験対策するのがオススメです。

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