TOEFLってTOEICと何が違うの? 就活対策前の基礎の基礎。
最近、就職対策にTOEFLを受けておいた方がいいとも聞いたけど、就職にはやっぱりTOEICスコアとも聞く……。その前に、TOEFLってそもそもどういうもの? という人も多いのでは?
TOEFL対策は、留学するひとが必要というイメージがありましたが、近年様子がかわってきています。2020年度からTOEFLや英検のような民間試験の成績が、大学入試センター試験にかわって始まる新テストで活用されるようになるのです。そんなこともあり、以前にも増して注目が集まっているTOEFL®Test。留学以外にも用途が広がってきているTOEFLのことを知らないとそろそろまずそうです。
TOEFLとTOEICがどう違うのかを比べてみました。
どんな力をはかる試験なの?
TOEFLは「英語圏の大学に留学する人が、英語での授業についていけるか」をはかる試験、TOEICは「英語でのビジネスコミュニケーション力がどれぐらいあるか」をはかる試験というのが、両試験の目的と言われています。実際にはTOEIC試験の内容にはかなり「日常会話」的なものもあります。個人的には「ビジネス英語」じゃないよね、と思っているのですが、それはそれ。
一方、TOEFLの試験ではリーディングやスピーキングに資本主義、生物学、リーダーシップ論など、いかにも大学の一般教養課程にありそうなテーマが入ってきます。TOEIC受験者の大半が日本人であるのに対し、TOEFLは、英語圏の大学に留学を希望する人たちが世界中で受験しています(旧英国領地域ではIELTSもメジャーですが)。
TOEFLは、「海外留学の際に必要になる英語力をはかるテスト」と言ってよいでしょう。
TOEFLとTOEICの試験方法は?
TOEFLでは、Reading、Listening、Speaking, Writingの4技能試験がすべて必須です。TOEICは基本的にListeningとReadingの技能試験のスコアが求められ、SpeakingとWritingはオプショナルという立ち位置。
海外の大学だけでなく、4技能をバランスよく評価したいと考える国内大学や文科省が、TOEFLスコアを重視する方針なのは、このためだと言われています。以下に、試験概要をリストアップしました。試験タイプの違いが少し見えます。
- TOEFLの概要(記事公開時点)
リスニング・リーディング 選択問題
ライティング タイピング
スピーキング 録音式
試験形式:パソコン上で回答を入力
試験回数:月2~4回
会場の数:約90カ所
受験料:235ドル(約2万3070円) - TOEICの概要(記事公開時点)
・LR
リスニング・リーディング マークシート方式
試験回数:年10回
会場の数:全国80都市
受験料:5300円
・SW
ライティング タイピング
スピーキング 録音式
試験形式:パソコン上で回答を入力
試験回数:年24回
会場の数:全国13都道府県
受験料:9500円
TOEFLとTOEICのスコア換算は?
一般的に、TOEFLはアメリカの大学での講義を理解するのに必要な英語力を120点満点のスケールで測定します。TOEICは英語でどのくらい仕事ができるかを、990点満点のスケールで測定します。
TOEIC受験経験者なら、TOEFLとのスコア対応表、気になりますよね。
おまけ的になりますが、国際教育交換協議会日本代表部(CIEE)によると、
<TOEIC:TOEFL>
810以上:91以上(英検1級)
740以上:82以上(英検準1級)
520以上:53以上(英検2級)
といった具合のようです。とはいえ、出題内容の傾向が先の述べたように違います。TOEFL向けの対策はしっかりしましょう。
まとめ
一般入試や推薦入試、AO入試などの入学試験にTOEFLスコアを利用している大学は、2015年時点ですでに全国257校に上っています(TOEFL®Testを主催する国際教育交換協議会(CIEE)の調査より)。そして同じ2015年から、国家公務員試験・総合職試験でもTOEFLが使われています。
今後は一般企業でも、TOEICより総合的な英語力の目安になる試験としてTOEFLスコアを重要視する可能性もあります。就職が英語学習の目標のひとつである方は、TOEFLを意識しておくことが大事そうです。